先日、「社員に資格を取らせたいけれど、会社から補助を出すべきか」と言う相談を頂きました。
多くの会社では資格取得支援制度があったりします。
自社ではどうすべきか、悩みどころが結構あるようですのでシェアします。
社員の資格取得は会社が支援すべきか
社員が業務で必要な資格を取得しようと言うのです。
これを支援してあげるのはとてもいいことだと言えます。
少しくらい業務から離れていても取得のための受験費用や講座受講費用を会社として補助してあげるのは色々なメリットがあります。
まずは、社員のモチベーションが上がります。
そして、会社に対して恩を感じるので会社に貢献してくれることが多くなります。
資格と言うのは不思議な魅力があり、1つを取ると次もまた取りたくなって来たりします。
そうすることで、向上心が芽生えることがあります。
建築関係の業務をされている方の場合は特に、ある資格がないと仕事にならないこともあるのでこういった制度を準備しておくことは会社によって有益と言えます。
制度が活かされない場合
資格取得支援制度は有益ですとお知らせしましたが、これが活かされないときがあります。
経営側は良かれと思って支援することにしたわけですが、従業員との温度差は多くの場合あるものです。
ある従業員は前向きに資格取得をしますが、ある従業員は他が取得するから自分も受験する、とか、本当は嫌なんだけれど、周囲の雰囲気に押されて受験する、と言う方もおられます。
その時、本人は資格取得に前向きではありませんので勉強もしていませんし、多くの場合不合格となってしまいます。
しかし、会社の支援制度として受験料や講座受講料が出て行ってしまうこともあり、ちょっとした問題と言えます。
前向きな社員が多ければ多少はしょうがないと言えるのですが、他人のモチベーションはコントロールできないので難しいです。
そこで、合格したら受験料分返還とか、講座受講料分返還などにしてもいいでしょう。
ご褒美分を含めて少し多めに上げれば従業員も喜びます。
人間不思議なもので、「落ちたら自腹」と思ったら臆病な人はチャレンジしなくなります。
そのため、「キャンペーン」の様に期間限定で受験料全員支給みたいな制度を実施し、盛り上げるのも一つの手です。
費用に関しては「給与」扱いにされてしまう可能性がありますので、ご契約の税理士さんと事前に打ち合わせをされてから実施されて下さい。
馬の前ににんじんをぶら下げると馬が良く走ると言われていますが、人間も結局同じです。
目の前ににんじんがぶら下がっていると、すごく前向きです。
一方で、どんなに優れた馬飼いも水を飲みたくない馬に水を飲ませることはできません。
馬が水を欲するとき、自ら飲みます。
社員を馬に例えてはいけませんが、内容的にはこんな感じです。
「いかに水が飲みたくなる環境か」が会社全体にとって良くなる条件と言えます。