赤字でも仕事を受ける会社のカラクリ

今回は、「受ければ受ける程赤字になる仕事」を受けるべきかどうかと言う話です。
あなたは会社経営者でしょうか?
「受ければ赤字になるなら受けない方が良いよ。誰でもわかるよ。」と思われるかもしれません。
ところが、そんなに簡単な話ではないのです。
詳しくお知らせしたいと思います。

サムライコンサル塾

赤字だからマイナスとは限らない

例えば、分かりやすいように例を挙げてお知らせしたいと思います。

 

仕事を受けると報酬が10万円だったとします。
それにあたる社員の給料が20万円だったとします。
付きっきりで仕事をした場合、20万円の給料が必要な社員が働いて得られるのが10万円なので、合計で-10万円です。
赤字なので、この仕事は受けない方がいい、と簡単に分かります。

赤字だから悪いとは限らない

ところが、不景気で他に仕事がない場合、この社員に振る仕事がないとしたら、この社員は1か月間遊んでいる上に20万円必要なので、-20万円です。
しかも、1か月間もロクな仕事をさせないと人間だらけ癖が付くもので、忙しい時でも仕事をしなくなります。
これはこれで大問題です。

人は休み癖が付く

-20万円よりは、-10万円の方がいいから赤字でも仕事を受けよう、と言うケースが出てくるのです。

 
さて、赤字でも仕事を受けた方がいいケースについてお知らせしましたが、怖いのはここからです。
この社会がこの業界でただ1社ならばいいのですが、どの業界でも同業他社がいるものです。
10万円で受ける話だったわけですが、他社が9万円で受けると言った場合、その仕事が流れてしまうことがあります。
このとき、自社は8万円と下げていくべきでしょうか?
これは材料費よりも下がらない限り受けるべきなのです。
そのことは感覚的にどの経営者も知っていますので、この値下げ合戦で「デスマーチ」は続きます。

 

極端な話、材料費の原価の値段になるまで続きます。
どこの会社が低コストで材料を仕入れているか・・・そんなボトムな勝負です。
どこの会社が受けても黒字にはなりません。
受けた会社の赤字が最も少ないという悲しい勝負です。

 

発注する方はちゃんと仕事をしてくれるのならば、どこがやってもいいと考えている場合、安い方が良いに決まっています。
自社でやると高くなるので、他社に依頼すると10万円では安いかな、と思っていたとしても、他の会社が9万円でやる、また違う会社が8万円でやる・・・と値下げ合戦をしてくれると「他社はすごいなぁ。この仕事がこの値段でできてしまうんだ」と思ってしまいます。
例えば、今回最終的に5万円である会社が仕事を取ったとします。
次からはその会社が5万円で受けることになってしまうのです。
当然受ければ受ける程赤字になる仕事なのですが・・・

このほかにも仕事を受ける必要性はあるのです。

 

工場の建設コスト

この話が工場で何か製品を作るような話だった場合、工場には建設コストがかかっています。
自社で全部お金を出していればいいのですが、銀行からお金を借りている場合、仕事を受けようが、受けまいが銀行への返済はあります。
毎月100万円づつ返済しているとしたら、赤字はここしでも少ない方が良いに決まっています。

 

受ければ赤字でも、受けないと赤字が膨らむので必ず仕事をとる必要が出てきます。
また、工場が止まると材料も出ていかなくなるため更に赤字が膨らんでしまうのです。
原価ぎりぎり、もしくは原価であっても材料も出ていく必要があります。

工場は止まらない

 

工場の停止コスト

仕事は受けたら赤字だし、材料は保存が利くから儲かる仕事がある時にそれを受けようと思ったとします。
しかし、多くの工場は工場を停止させると再開時に稼働させるときにかなりのコストがかかります。

 

これは燃料の話だったりもするのですが、不思議と機械は一旦停止させて、再度稼働するときに故障が出たりします。
それまで何年も問題なく稼働していたにもかかわらずです。
当然修理したり、新しい機械を買い変えたりするとコストがかかります。
燃料費ならば月に50万円で済んでいたのに、機械の入れ替えが必要で1000万円が必要になってしまうケースも・・・
工場を2週間停止させることで25万円のコストカットになったとして、再開するときは先に工場を温めてからスタートする必要があるために再開費用が30万円になるなんてことも・・・
工場はよほど計画的か、よほど長期的に止めない限り稼働したままの方がコストが安いことがあります。

そういった意味でも赤字の仕事を受けた方がいい場合が多いです。

 

付き合い

ここまでは「マイナスを減らす」と言うポジティブなのかネガティブなのかよく分からない理由でしたが、ポジティブな理由もあるんのです。
先ほどの赤字の仕事は依頼する側も困って外に出した仕事である可能性があります。
自社で行うには人手が足りない。
新しく人を雇う訳にも行かないし、現在の人員を割くと赤字。
外注したらあら不思議、この低価格でやってくれるところが複数社。
そんな中、最も低価格でしっかり仕事をしてくれた会社は「救世主」とも言えます。

 

次回もう少し割のいい仕事が発生した時、最初に依頼するのはこの「救世主」です。
受ける方としても、今回は-10万円。でも次回は-5万円かも知れません。
もしかしたら、+10万円かもしれないのです。
最も怖いのは、依頼元との関係が切れてしまうこと。
そういった意味では、今回赤でも次回取り返せばいい、と考える経営者も少なくなりません。

 

まとめ

このように会社には赤字でも仕事を受けなければならない時があるのです。
会社経営者は、この厳しい選択肢を選ぶ必要があるのです。

 

 

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