意外と大事な「名前」のお話

会社経営において「名前」と言うと、「社名」「商品名」などに関係があります。

すごく考えて決める方や、かなりいい加減に考える方もおられます。

会社が大きくなると、意外なところで障害になることがります。

実例をお知らせしますね。

 

サムライコンサル塾

 

今、全国的に銀行の統廃合が進んでいるのをご存知ですか?

九州が特に面白くて、地銀が18行あります。

ここで、経営統合や合併や吸収が繰り返されていて、何とか生き残ろうとしています。

銀行

人口が減るわけですので、パイが減っていくのは確実です。

九州全体では人口の約10%の人が住んでいるので、日本の縮図がここにあると言ってもいいです。

 

生き残るためには、経営統合などしてでも顧客数を増やすしかないのです。

ただ、各銀行にもプライドがあります。

 

吸収されてしまうと自分の銀行の名前がなくなってしまいます。

これは嫌なんです。

 

そこで考えられたのが、「フィナンシャルグループ」です。

要するに一緒にビジネスをやりましょう、と言うことです。

社名は残りますし、「○○フィナンシャルグループの一員です」と言うことができ、顧客に安心感を与えます。

 

ここで一番強いのが、「福岡フィナンシャルグループ」です。

トップは福岡銀行で、福岡をベースに展開しています。

だから「福岡フィナンシャルグループ」なんでしょう。

ここには、福岡銀行の他に、熊本の熊本銀行、長崎の親和銀行が入っています。

 

福岡銀行にはライバル銀行が福岡内にあって、西日本シティ銀行です。

これも元々西日本銀行とシティ銀行が合併して「西日本シティ銀行」となりました。

西日本シティ銀行グループには、西日本シティ銀行と長崎の長崎銀行が入っています。

 

その他、肥後・鹿児島銀行が「九州フィナンシャルグループ」を立ち上げました。

 

一応、「山口フィナンシャルグループ」の山口銀行(山口)、もみじ銀行(広島)、北九州銀行(福岡)がありますが、こちらがメインになることはなさそうです。

銀行のイメージ
銀行のイメージ

 

実質以下の3つのグループがあると思ってください。

 

  • 福岡フィナンシャルグループ(福岡銀行(福岡)、熊本銀行(熊本)、親和銀行(長崎))
  • 西日本銀行シティ銀行グループ(西日本シティ銀行(福岡)、長崎銀行(長崎))
  • 九州フィナンシャルグループ(肥後銀行(熊本)、鹿児島銀行(鹿児島))
  • 山口フィナンシャルグループ(山口銀行、もみじ銀、北九州銀行)

 

福岡中央銀行(福岡市)は福岡フィナンシャルグループから社長が派遣されています。

豊和銀行(大分)は西日本シティ銀行とかなり仲が良いです。

 

これらを実質仲間だと考えると、グループに属しているのが、18行中10行となります。

 

 

事業を拡大するには、「残りの8行をいかに取り入れるか」がキーとなるでしょう。

このとき、その10行がどこかと言うと以下です。

 

第一地銀では、大分銀行(大分)、十八銀行(長崎)、宮崎銀行(宮崎)、佐賀銀行(佐賀)、筑邦銀行(福岡)。

第二地銀では、南日本銀行(鹿児島)、宮崎太陽銀行(宮崎)、佐賀共栄銀行(佐賀)。

微笑む福沢諭吉

 

面白いのは、福岡以外の銀行がほとんどです。

九州で地域的にトップと言えば、博多がある「福岡」です。

ここに負けるのはやっぱり悔しい。

面白くないのです。

 

そんな時、どこかのグループに属するとしたら、「福岡フィナンシャルグループ!?福岡銀行だろう!」となってしまいます。

西日本シティ銀行グループも「西日本シティ銀行だろ!」、山口フィナンシャルグループも同様です。

 

賢いネーミングなのは、「九州フィナンシャルグループ」(肥後銀行(熊本)、鹿児島銀行(鹿児島))です。

どこの銀行の名前も入れていないし、南九州の銀行からなるにも関わらず、「南九州フィナンシャルグループ」などにしなかったことです。

 

長崎でも、熊本でも、大分でも、宮崎でも「九州」です。

自分たちのテリトリーの名前を崩さずにグループに参入することができます。

「一緒にやっている感」がありますよね。

九州フィナンシャルグループ。

 

福岡フィナンシャルグループや西日本シティ銀行グループだといかにも「傘下」に入った感じです。

「経営が危ないのかな」なんて思われたら貯金額が減ってしまいます。

勘違いかもしれませんが、そういった勘違いでもお金が出ていくのは非常に困ると言うのが現在の銀行の経営状態です。

そのような失敗もできないので、「名前作戦」は「九州フィナンシャルグループ」が勝ったと思っています。

 

名前を決めるときは、そこに当てはまる人やモノにどういった影響があるかまで考える必要があります。

いい加減にではなく、先の先まで読むことで、そこに「会社の方針」や「会社の思い」、「会社の戦略」が込められることになるのです。

 

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