「無駄」の「必要性」について

「必要」とは「必ず要(かなめ)」と書き、不可欠なものです。

「不要」とは「なかめならず」と書きますので、「要らないもの」と言えます。

ところが、実は不要なものが必要と言うことがあります。

具体例を挙げてお知らせします。

あなたは、不要なものは不要だと思いますか?

 

サムライコンサル塾

 

ある和菓子屋さんのコンサルを行った時の例

ある和菓子屋さんで創立100周年の記念イベントをしたいと言うことで、何をしたらいいかのコンサルの仕事をお受けしたことがあります。

正直、失敗もできないし、とんでもない仕事を受けたと思いました。

和菓子屋さんのコンサル

そして、失礼ながら、私はその和菓子のお店をあまり知らなかったのです。

辞退することも考えたのですが、和菓子屋さん自体何をしたらいいのかお困りのようでしたので、やや仕方なくお受けした状態でした。

 

コンサルを受けるくらいだから、和菓子について詳しいのだと思われていたらこの話は成立しません。

正直なお話をすると「和菓子って結局あんこでしょ?」くらいの知識しか持っていませんでした。

・・・と言うか、これまで和菓子について考えたことがありませんでした。

 

早速、和菓子屋さんにお邪魔して、何かヒントを得ようと思いました。

和菓子屋さんのコンサル

※画像はイメージ

 

創業100年の和菓子屋さんは、大きくて、和菓子の種類も多かったです。

和菓子の種類と会社経営

一番人気は、「どら焼き」だと言います。

そして、飽きられないように、時代とともに進化してきた、と。

一番の悩みは、一番人気がいまだに「どら焼き」であることでした。

 

新しい商品を作るけれど、創業当時からのどら焼きを超えることができないでいたのです。

そこで、現在の店主(三代目)とまだ若手の(四代目)に別々に話を聞き、それぞれ別の商品を開発することを勧めました。

 

四代目は新商品の開発に前向きで、ちょうどチョコレートやイチゴ味のどら焼きを試作していました。

いちごどら焼きと会社経営

食べてみたのですが、確かにおいしい。

ただ、「今風」と言う印象でした。

お客さんを考えると若い方。

 

この新しいどら焼きを紹介するには、CMを打ったりしないといけないし、広告費がとんでもないと思っていました。

 

一方、三代目は新しい商品についてあまり前向きではありませんでした。

既に色々試して「ネタ切れ」のイメージだったようです。

 

そこで、私は考えました。

自分がお客さんで、かねてからこのお店を贔屓にしているとしたら、このお店で食べたい商品は何か?

自分が誰かのところに行くときに、手土産にしたいのは何か?

 

考えた答えは「どら焼き」でした。

 

私が依頼したのは、四代目には、「今後のお店を担うであろう新しいどら焼き」を。

三代目には、「100年前に開発した、どら焼きの復活」を。

新旧のどら焼きを100周年の目玉商品に設定して、「過去と未来」と言うテーマにしたのです。

 

三代目も四代目も乗っかってくれ、それぞれの商品の開発が行われました。

それぞれが最高の技術で思ったどら焼きを作るのです。

 

結果は見えています。

三代目が作るどら焼きの方がおいしくて、人気が出るでしょう。

既に歴史のあるどら焼きですし、昔から、手土産にされてきたどら焼きです。

「100年前の製法で復活」と言うと、それだけで話題になります。

 

では、「新しいどら焼きは必要か?」と言う話が出てきます。

チョコ味なのか、イチゴ味なのかわかりません。

完全に四代目に任せました。

未来を感じるどら焼きは、すぐに答えは出ません。

 

答えが出ているのに、新しいどら焼きも必要だったのか?

ここが「不要の必要性」です。

 

100年前のどら焼きの復活だけではその良さを感じるのは難しいです。

現在のどら焼きと比較しても、劇的に違うと言うのは素人にはわかりません。

特に和菓子に疎い私には。

 

そこで、100年前のどら焼きと、未来のどら焼きがあれば比較は簡単です。

しかも、片方はチョコ味かイチゴ味かです。

見た目にも違いは分かりやすいですし、味も全く違います。

 

比較して食べることで、改めて「昔ながらのどら焼きはおいしいなぁ」と感じることができるのです。

一見不要な新しいどら焼きも必要なのです。

 

もちろん、新しいどら焼きが私の期待以上の出来で、話題になっても良い訳です。

ヒットしても、ヒットしなくても、良い結果になると言うことを考えました。

 

必要なものはもちろん必要です。

不要なものも必要なことがあります。

 

サムライコンサル塾

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